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会社の見方徹底ガイド(1)



では、その優先順位を考える際に、どんな視点があるのか。ごく一般的な会社情報について眺めてみよう。


1.どんな事業をしているところか

まず企業という集団が営利団体である以上、「何で金もうけしているのか」を把握しておく必要がある。
どんな製品・サービスを提供しているのか、これまでどのような事業を展開してきたのか、将来にどんな展望を持っているのか、という点がポイントになる。

企業の中には、表向きはクリーンなビジネスを装いながら、実は後ろ暗い商売で金をもうけている、などというところだってある。
自分が入社した後にそれが社会問題化すれば、自らのキャリアに汚点を残すことにもなりかねない。

逆に、今は地味なビジネスを展開しているようでも、5年後には世間の花形となっているかもしれない。
企業の屋台骨である「事業内容」を把握することなしに、転職の成功はありえない。

 
【チェック項目】

まず当然のこととして、ウェブ上にある企業サイトの情報はチェックしよう。
また『会社四季報』なども参照する。

エンドユーザー向けのサービスを展開している企業なら、自分でそのサービスを利用するぐらいはしたいもの。
販売店やショールームがあれば、製品はもちろん、顧客対応から販促マテリアルまですべてをチェック。
可能であれば実際に商品を購入して、サービスセンターに問い合わせるなども試みる。
余裕があれば、似たような事業展開をしている複数の企業と比較してみよう。
各社の事業内容の特色が明確になるだろうし、企業理念だって見えてくるはず。

もしも、その製品内容や販売方法に疑問や不審点がある場合は、「消費者生活センター」にクレーム状況を確認。
業界団体に問い合わせるなどして、その企業の業界内でのポジションや評判を確かめる方法も有効だ。  
 


2.どんな仕事をすることになるか

次に大切なのは、その企業で自分は何をするのか、という点だ。
仕事の内容を知るということは、自分のキャリアを積めるところか、今後の可能性を開拓できるところか、自分は使い捨ての存在ではないのか、などといった点を同時に確認することでもある。

せっかく入った会社が「期待はずれ」で、すぐに辞める人も多い。
その多くは入社後の自分の仕事内容をキチンと把握していなかった人だといわれていることを知っておこう。
 

【チェック項目】

実際の仕事内容に関する調査は、下手な憶測やウワサに惑わされないようにしたい。
具体的には、面接時に直接、担当者に尋ねる方法がいちばんだ。
自分が採用されたら「どういう構成の何人のチームに配属されるのか」「今現在、どんなプロジェクトを進めているのか」「主に連絡を取り合う部署はどこか」「今なぜ、求人しているのか」「自分が採用候補に上がっているのはなぜか」といった点は、何回かの面接の中で必ず確認しておこう。

その過程で、たとえば、一般的には合理的とされる分業システムが、「何でもやって覚えていきたい」と思う自分には合わないとわかるかもしれない。
もちろん、その逆の場合もある。

また、特に成長中の業界や企業では、同じ職種でもその職務内容が大きく異なる場合もある。

よって人事担当者だけでなく、必ず現場の担当者に仕事内容の説明を求めること。
この点は非常に重要なポイントだ。  
 



3.会社のしくみを知りたい

その会社がどんな組織や人事制度を持っているかという点も、もちろん見落とせない。
というのも、企業の組織構造や人事システムにはその企業の基本姿勢が反映されやすいからだ。
特に、いわゆる「新人事制度」をどれほど積極的に取り入れているかという点は、その企業の先進性の指標と見ることができる。
 

【チェック項目】

たいていの求人広告では、組織構造や人事システムについては最低限しか言及していない。
しかし先進の制度を採用している企業なら、その事実を積極的に広告に盛り込んでいるはず。
よって通常の求人広告でどれくらい人事システムに言及しているか。この点が最初のチェックポイントになる。

その上でホームページや会社案内などの内容を確認しよう。
相手が中小企業やベンチャー企業であれば、人事担当者に直接、問い合わせて手も有効だ。



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